出会い系サイトとは、本来、恋愛目的の男女のための出会いのきっかけの場であるのですが、ここ最近は、児童買春や援助交際、詐欺、傷害、殺人等の犯罪の温床になるケースが多く、また異性になりすましたサクラが多く、本来の価値が無いサイトが大部分を占め、いわゆる出会えない系サイトと呼ばれるに至っております。
特に最近では、フェイスブックなどのSNSサイト内に女性をターゲットとした副業広告(短期間で簡単に高収入を得られる。少しの空き時間を利用できる等)を貼り、無料で登録できることで誘引し、出会い系サイトへ入会させて、サクラの男性会員とのやり取りを通じて、数万円から数百万円もの金銭を詐取する事案が多く見受けられます。
架空の弁護士名等を文面に入れ、あたかも正式に債権者から授権した弁護士からの請求のように錯覚させ、出会い系サイトの未納利用料金と称して架空の請求を行う詐欺です。
以前に、出会い系サイトを利用していた方の個人情報を利用している場合が多く、請求された方は出会い系サイトの利用歴があることから、一部を支払い忘れて未納料金があるものと勘違いしてしまい、あまり疑わずに支払ってしまうようです。
また、出会い系サイトの社会的評価が、一般的にあまり良いものではないことから、請求が自宅にまで及んだり、訴訟となれば厄介と考え、数万円程度であればと安易に支払ってしまう傾向があります。違法請求業者はその辺りの心情を巧みに利用し振り込ませようとします。
架空の弁護士名を利用した架空請求詐欺をさらに詳しく
出会い系サイトによる詐欺事案で最近多いのは、出会い系サイトの運営会社自体が、この詐欺を目的としてサービスを提供しているものです。要するに、出会い系サイトで知り合った異性(第三者)による詐欺では無く、出会い系サイトの運営会社側が、サクラになり、入会した若しくはワンクリック等により不当に入会させた一般会員に対し詐欺を働いているのです。
よくある事例としては、サクラが悩み事を聞いて欲しいなどと持ちかけて、直アドレスや電話番号を交換を行うよう求め、そのためには、ハイクラス会員登録やパスワード入力(文字化けの解除)のための料金が必要となるとの名目で、サイト運営会社は次々にお金を支払うよう求めてきます。これらに要した費用は、そのサクラが後で、用立てすると安心させ、最初は数千円レベルから始まり、徐々に金額を吊り上げ、数万円から数十万円、数百万円レベルにまで請求をかけて、支払うよう求めます。
数万円程支払った後で、手持ちのお金や預貯金、クレジットの上限金額を上回り出すと、途中で支払いを辞めることに躊躇してしまい、消費者金融からお金を借りて、用立てすることも珍しくありません。当然、出会い系サイト運営会社に支払ったこれら既払金については、サクラが当人に返金することも無く戻ってきません。ある程度、お金を支払ってしまったことで、出会わなければ元が取れないと考え、更に支払ってしまい悪循環に陥ってしまいます。
この他に、同様の事例として、最初に、相談を聞いてくれたらサポート金として1000万円を支払うなどと、射幸心を煽り勧誘する場合もあります。いずれにせよ、これらの行為は、悪質なサクラが、会員(ユーザー)の射幸心や情を巧みに利用して、運営会社に利用料等を振り込ませ、実際には、そのサクラとは一切出会えない詐欺行為に当たります。
出会い系サイトに入会する際には、詐欺行為に出くわすかも知れない、またはサクラではない異性に出会える可能性は現在、非常に少なくなっていることを考慮の上で、入会することです。また、入会後に相手が、1000万円相当の大金を受け取って欲しい等と胡散臭い相談話等を持ちかけてきたら、一切連絡を取らないようにした方が良いでしょう。出会い系サイトも含め架空請求(不当請求)と呼ばれるものに共通して言えるのは、常にネット上での取引には必要以上の注意が必要であるということです。サイト内の文言については細かく目を通し常に警戒する必要があります。
もう既に、出会い系サイト運営会社に対し、請求されたお金を振込んだり、クレジットを利用するなどして支払った場合には、正当な法的根拠(解除・取消・無効等)をもって出会い系サイト運営会社やクレジット会社に対し、清算(取消)を求める必要があります。
相手会社の指定口座へ振り込んでしまった場合には、まず契約を取消す等して、既払金の返還請求を行う必要があります。契約の取消等は、通常、法的根拠を記載した内容証明郵便にて行い返還請求をかけます。直接、電話等での交渉を行っても構いませんが、相手業者は極めて悪質性が強いため、それに応じないケースは往々にしてあります。
内容証明郵便にて返還請求を行った後、相当の期間(概ね1週間程)経過後に返還され得ない場合には、相手会社の登記簿謄本を取得後、相手会社及び代表者に対し訴訟を提起することで被害の回復を図ります(内容証明郵便を発信する前に謄本を取得しても良いでしょう)。
出会い系運営会社の住所地はレンタルオフィスである場合が多く、その住所での運営実態が無いケースも多分にありますので、必ず相手会社の登記内容を確認する必要があります。また、仮に訴訟を経ても、終局的に相手資産の有無・管理場所の関係上、回収が困難な場合もありますので、刑事告訴も併せて、包括的な解決を図る必要性も出てきます。
クレジットカードを利用した場合には、支払い停止の抗弁事由に該当しているのであれば、抗弁が可能になります。抗弁権を行使した後は、クレジット会社が、抗弁権について争ってくる場合も想定して口座振替をできないよう、振替を解約するか、口座残高をゼロにしておく措置を取っておいた方が良いでしょう。尚、支払い停止の抗弁は、出会い系サイト運営会社に対し、生じている事由(解除・取消・無効等)をもってクレジット会社からの請求を拒めるものであるため、立替払契約(クレジット契約)自体が消滅する訳ではありません。
したがって、クレジット決済が行われた場合には、クレジット会社への既払金については、不当利得返還請求権に基づきサイト運営会社へ請求し、未払金については抗弁権に基づき支払いを拒否する流れになります。また、当初一括払いにより清算したとしても、後でリボ払い等の分割払いに変更し得るのであれば、抗弁権の主張は可能です。
チャージバックとは、クレジットカード発行会社が、加盟店管理会社からの売上内容に不当性があった場合に、カード発行会社が加盟店管理会社に対し、既に支払った代金を取り戻すための手続きを指します。
チャージバックルールは、法に定めはなく、国際ブランド等のクレジットカード会社間で定めたものであり、翌月1回払い(後リボ除く)のような割賦販売法が適用されない(支払い停止の抗弁権を行使できない)場合でも、又、海外取引でも援用が可能です。出会い系サイトのような詐欺取引のケースでは、チャージバックを援用することが多いです。
※援用:ある事実を自己の利益のために主張すること。
チャージバックをさらに詳しく
当事務所は、クーリングオフ、悪質なクレジット契約・リース契約の解約、中途解約、支払い停止の抗弁等に関する内容証明を作成します。また、クーリングオフ期間経過後やクーリングオフ適用外の契約においても、適切な解約事由をもって、支払い停止の抗弁、既払金返還請求のための内容証明を作成します。無料相談・ご依頼は大阪・兵庫・京都等の近畿圏に限らず全国対応にて行います。相談内容によっては、訴訟等を踏まえ専門の弁護士に委任した方が良い事案もありますので、その際は紹介等させて頂きます。
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