ドロップシッピングという販売サービス自体に何ら違法性や悪質性はありませんが、そのサービスを包括的にバックアップし、収入を概ね保証することを前提に、本サービスを提供するため初期費用として数十万〜数百万レベルのお金を要求する事業者は、その殆どが詐欺業者と言っても過言ではありません。
そもそもドロップシッピングとは、WEB(インターネット)上で、仕入れ無し、在庫無しで店舗を持つことができるサービスです。要するに無料で始められ、リスクが存在しないというものです。但し、WEB上に店舗を開いたからといって必ず収益が保証されることなどありませんし、収益を得ようとすればリアルな実際の店舗と同様にマーケティングからノウハウ、テクニック等を勉強し、努力することが必要となります。
これら業者は、起業や副業向けの広告媒体(ネットや雑誌)に容易に収入が入るような書き方で宣伝し、消費者を集客しては、高額な初期費用を支払わせ、大金を業者に振込んだ後は、お粗末なサイトを作成し(もしくはサイトすら作成しない)、実際には、殆ど利益が出ない実態があります。要するに詐欺です。
悪質ドロップシッピング商法の手口は、その殆どが悪質ドロップシッピング事業者のサイト上や雑誌上、又はその他のネット上の広告内容をユーザーが見て容易に儲かるものと誤信し、資料請求をした後における、相手業者からの電話勧誘によるものです。広告内容には、「自宅で簡単に副業」等の趣旨の文言が入れられていることが多く、比較的容易に収入を手にすることができるものと誤認を招くものとなっております。
当然、資料を請求することは任意ですが、その後の相手業者からの電話勧誘には注意しなければなりません。言葉巧みな話術で、契約すれば必ず儲かるような説明をしてきます。その殆どは、儲かりませんので、絶対に契約はしないことです。そもそも得体の知れない業者と、収入を得るために、数十万円の高額な契約を締結することは、リスクが高すぎるのは言うまでも無いでしょう。安易に契約をすれば、市場価値の乏しいソフト契約による数十万円の実損か、相当額のクレジットの支払いが残るだけです。
2010年3月1日に東京都がドロップシッピングサービス業者2社に対し初の業務停止の行政処分を下しましたが、その根拠は、当該業者の取引が特定商取引法51条に規定されている業務提供誘引販売取引に該当することにより、同法の規制がかかり、不実告知や断定的判断の提供等の違法行為が明白になったことによります。
この行政処分が出される前までは、ドロップシッピングサービス自体が業務提供誘引販売取引に該当するものかどうか議論されておりましたが、行政の場においては、業務提供誘引販売取引と認定されました。現在、司法の場においても、本取引と認定され判決が出ております。
現在、契約中の方で明らかに、契約前の勧誘段階における説明と契約後の収益実態が異なる場合は、たとえ相手業者が、言葉巧みに言い訳や説明、弁明をしてきたとしても、それに真面目に応じる必要は全くありません。何故ならその契約は詐欺ですから。
当然、詐欺(民事上・刑事上)である以上、取消権を行使することも可能ですが、立証性を鑑み、特定商取引法を適用し契約解除またはそれに伴う既払金返還を求める方が、事案の処理からしても現実的です。
行政も正面からドロップシッピングが特定商取引法における業務提供誘引販売取引と認定している以上、本法のクーリングオフ制度を活用するべきでしょう。業務提供誘引販売取引にクーリングオフ権の行使期間は、契約書面受領日より20日間(初日算入)ですから、クーリングオフ期間内であれば、当然その権利主張は検討するまでも無く相手に主張することで、相手業者には既払金を返還する義務が発生します。
重要なポイントとして、クーリングオフの主張(通知)は必ず内容証明を用いることです。証拠無き通知は後々のリスクを生じさせます。下手をすると相手業者は、そのような通知は届いていないと主張して、返還しない可能性も有り得ます。
次にクーリングオフ期間が経過していると思われる場合(契約書面らしきものを交付された場合などで、その日より20日を経過した場合)には、クーリングオフ期間経過後でも契約解除可能な法的根拠を用いて相手に主張する必要があります。
詳細については、クーリングオフ期間経過後の解除を参照下さい。
尚、当事務所では、ドロップシッピングサービスに関する被害救済サポートとし、契約解除、既払金返還請求や、クレジット契約の解除、支払い停止の抗弁手続きを等行っておりますので、騙されたと思われたら一度ご相談下さい。
当事務所は、クーリングオフ、悪質なクレジット契約・リース契約の解約、中途解約、支払い停止の抗弁等に関する内容証明を作成します。また、クーリングオフ期間経過後やクーリングオフ適用外の契約においても、適切な解約事由をもって、支払い停止の抗弁、既払金返還請求のための内容証明を作成します。無料相談・ご依頼は大阪・兵庫・京都等の近畿圏に限らず全国対応にて行います。相談内容によっては、訴訟等を踏まえ専門の弁護士に委任した方が良い事案もありますので、その際は紹介等させて頂きます。
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