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事業者間契約とは事業者と事業者の契約を指しますが、このような場合、特定商取引法、消費者契約法、割賦販売法などの消費者保護を目的とする法律は、原則適用されません。
但し、屋号などがあり外形的に事業者とみられるケースでも、何ら事業を始めておらず、実質的に消費者性が強い場合や、特定商取引法、消費者契約法、割賦販売法の趣旨に照らし、これら消費者保護を目的とした法律の適用を受けることの妥当性が高い場合には、外形的に事業者間契約とみられる場合であっても、これらの法律に基づきクーリングオフや契約の取消などの主張ができる場合があります。
消費者契約法2条では、『この法律において「消費者」とは、個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く。)をいう。この法律において「事業者」とは、法人その他の団体及び事業として又は事業のために契約の当事者となる場合における個人をいう。この法律において「消費者契約」とは、消費者と事業者との間で締結される契約をいう。』と規定し、消費者と事業者との契約において適用されると定めています。
特定商取引法では、同法26条1項1号において、又、割賦販売法では、同法8条及び同法35条の3の60において、「契約者が営業のために若しくは営業として締結する取引」を適用除外とすることを定めております。
このように、消費者契約法では「事業として又は事業のために」、特定商取引法及び割賦販売法では「営業のために若しくは営業として」を、各々基準として適用除外の範囲を定めており、これらの規定により、事業者間契約は、消費者契約法に基づく取消権や、特定商取引法・割賦販売法に基づくクーリングオフなどが適用されないものと解されているのです。
このため、実態として、およそ「消費者」としてみなされるべき事案(開業準備段階で事業実態がない場合や、販売会社側の働きかけで事業者となるなど)であるにも関わらず、形式的判断や相手事業者からの一方的な主張により事業者(個人事業主)としてみなされ、特定商取引法(クーリングオフ)や消費者契約法の適用を否定してくることが往々にしてあります。
では、実際に相手事業者が、契約者を消費者ではなく事業者とみなすケースにはどのようなものがあるのでしょうか。
例えば、個人事業主や零細企業(法人)相手の高額なホームページ、ランディングページ(LP)やアプリの制作・ソフトの販売、CRM(顧客管理システム・ソフト)の販売、事務機器(電話機・コピー機、パソコン、POSレジ、セキュリティーソフト)販売並びにその販売に伴い締結するリース契約及びクレジット契約の殆どは、訪問販売や電話勧誘販売によるものであり、法の趣旨からして特定商取引法や割賦販売法の適用を認めるべき契約と考えられます。
また、副業に関する求人に応募したことや、情報商材を購入したことを起点に、当該副業などの事業を開始していない消費者が、事業者側の働きかけで事業を開始する場合も法の趣旨からして特定商取引法や割賦販売法の適用を認めるべき契約と考えられます。通達では、「消費者が契約の対象となる商品を利用した利益活動に必要な設備等を準備していないといった事情を踏まえて、当該消費者は当該取引に習熟しているとは認められないのであれば、『営業のために若しくは営業として締結するもの』に該当せず、適用除外にたらないと考えられる。」と定めています。
しかしながら、契約書などで一方的に事業者間契約であることに合意させ、特定商取引法や割賦販売法の適用を求めず、また、これらに基づくクーリングオフを認めないことを前提に契約を迫る悪質業者が多いのが実態です。
リース契約の解約(解除)@自宅で理髪店を営む者が、訪問販売業者の勧誘により多機能電話機を購入、設置した契約において、契約書面において、当該理髪店の屋号を記載させ、事業者とみなし、特定商取引法の適用除外を主張した場合。
A自動車販売・修理会社に対し、訪問販売業者が欺瞞的勧誘方法により事務所に設置する消火器を販売し、事業者とみなし、特定商取引法の適用除外を主張した場合。
B個人商店を営む者が、訪問販売業者の勧誘行為により自動販売機を購入した場合に、事業者とみなし、特定商取引法の適用除外を主張した場合。
C内職やドロップシッピングなどの副業、モニター業務のために、契約者が使用するパソコン、パソコンソフト、布団、軽貨物自動車などを購入させる契約を対事業者間契約とみなし、特定商取引法の適用除外を主張した場合。
上記事例につき契約者側が、特定商取引法、消費者契約法、割賦販売法などの消費者保護を目的とする法律を主張した場合に、具体的処理はどうなるのか?
@仮に、契約書に屋号を記載したとしても、業務用に殆ど利用することなく、自宅用の電話機として認められる場合においては、「その取引が営業のために行われたか否かは、単に契約書の記載だけでなく、当該取引の実態から判断すべき」とされる。(裁判例)
A「商行為に該当する販売又は役務の提供であっても、購入者にとって営業のため若しくは営業として締結したものではない販売又は役務の提供は、法の適用除外としない趣旨とし、またその上で、自動車の販売・修理を業とする会社であって、あくまで消火器を営業の対象とする会社ではないから、営業のため若しくは営業として締結したものではない」との高等裁判所の判断。(裁判例)
B「割賦販売法が取引に不慣れな購入者等を保護することを目的としていることに鑑み、自動販売機の購入行為を行う以前に商人資格を取得している者以外の者の1台目の自動販売機の購入については、これらの条項が順守されるべきである」との通産省(現経済産業省)からの通達があり、個人商店を営み商人資格があったとしても、当該取引に関し、商人資格を得ていなければ、適用除外規定には該当しないということです。
要するに、仮に1台目の自動販売機の購入後に、2台目の自動販売機を購入する際には、既に当該取引において商人資格を有している状況下で、2台目を購入している訳ですから、事業者間契約とみなすことが当然であるということです。
C特定商取引法は、業務提供誘引販売取引において「提供され、又は斡旋される業務を事業所その他これに類する施設によらないで行う個人」を適用対象とし、仮に「店舗を設けてある分野の事業を行っている個人事業主であっても、その分野と無関係の業務を事業所等によらないで行う場合は本法(特定商取引法)の適用対象となる(通達)。」ともあり、要するに個人的労務の範囲内で行っている取引については、その殆どが個人的労務の補助手段として利用するものであり、消費者契約とみなすべきであり、また契約締結時に当該業務について知識・経験のない個人が行う開業準備段階における取引は、消費者契約とみなすべきであるということです。
事業者間取引とみるか、消費者(外形的に事業者であっても消費者性が強い場合も含む)対事業者との取引とみるかにより、消費者保護を目的とした特定商取引法や消費者契約法の適用の可否が分かれるため、当該取引時に商人資格があったのか、営業行為の一つか、また個人的労務の範囲内かなど、複合的要素を勘案して判断されるものであり、事業者から一方的に事業者関契約であるから、クーリングオフや特定商取引法の適用が無いなどと主張された場合や、契約書に事業者間契約である旨の記載があったとしても、安易にその主張に応じる必要は無いということです。
事業者がそのように主張してきたとしても、また契約書にクーリングオフができない旨記載されていたとしても、それに従わず、まずは上記基準等をクリアにした上で、どのように対応するのか検討する必要があります。
判断にお困りの場合は、その後の不利益にならないためにもご相談下さい。
当事務所は、クーリングオフ、悪質なクレジット契約・リース契約の解約、中途解約、支払い停止の抗弁等に関する内容証明を作成します。また、クーリングオフ期間経過後やクーリングオフ適用外の契約においても、適切な解約事由をもって、支払い停止の抗弁、既払金返還請求のための内容証明を作成します。無料相談・ご依頼は大阪・兵庫・京都等の近畿圏に限らず全国対応にて行います。相談内容によっては、訴訟等を踏まえ専門の弁護士に委任した方が良い事案もありますので、その際は紹介等させて頂きます。
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