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昨今、副業を解禁する企業が増える中、各種求人サイトなどで求人募集を行い、悪質な高額契約を結ばせる事案(副業商法)が散見されます。一見普通の求人のように記載していますが、いざ問い合わせてみると、zoomなどのビデオ電話などで別の仕事を案内され、その仕事(プログラマー、パーソナルトレーナーなど多岐に亘ります。)を行う上で必要とされる商品、コンサル、レッスン、講座などの契約を結ばせようとしてきます。
一方で、アルバイトやパートなどの雇用契約ではなく、個人事業主として業務委託契約を別途結ばせるため、最低賃金などの保証もなく、全く収益に繋がらず、高額な支払いだけが残ることとなります。このように、少しでも収入を増やしたいと思い、アクセスした求人サイトを起点とし、多額の出費を強いられるという本末転倒な結果を生じさせるのです。
また、一般的に内職商法とは仕事の斡旋、紹介を行うことを前提に、仕事をする上で利用・使用する商品等を購入させる取引を指します。ところが、実際に斡旋(紹介)された仕事は稼げないものばかりであり、購入した商品代の高額なクレジットの支払いだけが残る結果となります。
最近では、メルマガ(メールマガジン)を書くことで、空いている時間を利用し、気軽に報酬が得られるとの広告をインターネット上に載せ、一定額の報酬を支払った後に、高額な契約(プラン)を勧めてくるものまであります。一度高額契約をすれば、その後の報酬は、説明通りには発生せず、高額な契約金だけ詐取されます。尚、収益が上がらなかった場合の保証制度を設けている契約もありますが、そのハードルは極めて高く、事実上保証は受けられないものと思った方が良いでしょう。反対に保証制度を安心材料にして契約を結ばせようとします。
このような内職商法のことを業務提供誘引販売取引と位置づけ、業務を提供し、それにより利益を得ることができるとの勧誘文句により、そのために商品等を購入する取引形態とされています。但し、仕事の斡旋、紹介を行うことを前提としない場合には、業務提供誘引販売取引に該当しないケースもあります。
チラシ広告、インターネット、雑誌等を媒体とし、問い合わせると電話での勧誘が行われるケースが多いですが、収入を得るために、先に商品を購入するなどの初期投資をしなければならない契約は要注意です。ターゲット層は主婦やフリーターが多く、空き時間を有効利用でき、比較的簡単に収入が得られるなどの甘い誘引文句が特徴ですので、冷静になって騙されていることも視野に入れ精査することが肝要です。
内職商法(仕事の斡旋、紹介を行うことを前提とした勧誘を受けた場合)は業務提供誘引販売取引に該当するため、クーリングオフが可能です。業務提供誘引販売取引のクーリングオフは、契約書交付日を含め20日間になります。但し、仕事の斡旋、紹介を行うことを前提とした勧誘を受けていない場合は、業務提供誘引販売取引に当たりません。
このため、販売方法が電話勧誘販売や訪問販売に該当している場合には、これらを根拠としたクーリングオフを主張することになります(電話勧誘販売や訪問販売のクーリングオフ期間は契約書交付日を含め8日間です)。しかしながら、相手会社によっては、収益を上げるための(営業目的の)契約であることを理由に、クーリングオフを否認してくるケースもあります。
事業者ではなく消費者とみなす場合
クーリングオフを行使する場合は、クーリングオフ期間内に内容証明郵便に配達証明を付加してクーリングオフの意思表示を行うことです。ハガキ等では無く内容証明郵便で行うことです。通知した内容とその内容の書面が届いた事実は内容証明郵便以外の通知方法では証明できませんので。
仮にクーリングオフ期間が経過したとしても、特定商取引法・消費者契約法・その他の法律に契約の解除・取消・無効等の定めがある場合には、その取消事由等に従い契約を取消すことなどが可能です。取消権の権利行使にもクーリングオフ権と同様に消滅時効があるので、取消事由等が発覚した場合には、速やかに、取消権の行使を行うべきです。因みに取消権の消滅時効は追認し得る時より6ヶ月若しくは契約締結より5年間になります。
取消権等の権利行使は早ければ早いほど、原状回復(契約の巻き戻し)に伴う不利益(負担)は少なくなります。尚、取消権はクーリングオフ権とは異なり無条件解約ではありませんので、原状回復により不当利得分(原則、現存利益分)を返還する必要があります。
※現存利益:現に利益を受ける限度=利益が現物のまま、或いは形を変えて残っている場合
※追認し得る時:取消しの原因たる情況が止んだ時
当事務所は、クーリングオフ、悪質なクレジット契約・リース契約の解約、中途解約、支払い停止の抗弁等に関する内容証明を作成します。また、クーリングオフ期間経過後やクーリングオフ適用外の契約においても、適切な解約事由をもって、支払い停止の抗弁、既払金返還請求のための内容証明を作成します。無料相談・ご依頼は大阪・兵庫・京都等の近畿圏に限らず全国対応にて行います。相談内容によっては、訴訟等を踏まえ専門の弁護士に委任した方が良い事案もありますので、その際は紹介等させて頂きます。
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