電話勧誘販売とは、基本的に、事業者が消費者に対し電話をかけて、勧誘を行い契約を締結させる行為を言い、特定商取引法により規制がかけられている取引形態です。不意打ち的要素が、訪問販売同様、極めて高く、また、事業者側としても訪問販売よりも容易に消費者とコンタクトをとることができるので、一日に数回電話があることも珍しく無く、その執拗さに参ってしまい、契約してしまうことも多い悪質性の高い商法です。
要するに、電話による勧誘行為により郵便等(WEBやEメールなども含む)により申込み、または契約を締結するものです。また、事業者から電話・郵便・信書便・電報・ファクシミリ・電磁的方法(電子メール等)・「ビラ、パンフレット」により、販売目的を隠匿して、消費者に電話をかけさせたり、電話・郵便・信書便・電報・ファクシミリ・電磁的方法(電子メール等)により、他の方と比べて著しく有利な条件で、契約できる旨を告げて、消費者に電話をかけることを要請することで、契約を締結するものです。
※電話勧誘販売のクーリングオフ期間は、契約締結後に遅滞なく(3〜4日以内)交付される法定書面受領した日を含め8日間です。訪問販売における法定書面の交付時期は、契約締結後「直ちに」であるので、比べると多少余裕があります。また、訪問販売同様、2009年12月1日以降は指定商品と指定役務が無くなり、原則全ての商品と役務に対し適用される。指定権利については、改正前と同様で変更はありません。
電話勧誘販売のクーリングオフができるかどうかについて
近年、インターネットの普及や、不景気による副業志向に伴い、小規模ビジネスが流行っており、その時流に乗った「ホームページ制作」、「SEO対策」、「ドロップシッピング」、「内職商法」、「資格商法」などが、電話勧誘により販売されております。
サロン、飲食店、理容室・美容室、整骨院・接骨院、整体、カイロプラクティックなどの自宅兼店舗で営業している個人事業主や零細・中小企業等を対象に、未だ自社のホームページを持っていないことを良いことに、パソコンやホームページ等の無知に乗じて高額な、クレジット契約やリース契約等を締結させます。電話勧誘による販売方法を採っているところは、その殆どが一般的な価格と比べ、かなり高額になっています。
インターネットで見つけた広告(サイト)を通し、ホームページ作成に関する資料請求をすると、その後、執拗な電話勧誘に遭う場合が少なくありません。ホームページ作成に関する事業者は、良心的(一般的)な価格設定を行っているところもあれば、それに比して極めて高額な料金を請求してくるところもありますので、契約する際には注意が必要です。
ホームページ制作と併せて勧誘されるものが、SEO対策に関するサービスです。SEO対策は、ホームページを商用目的で持っている方であれば、必ず避けては通れないものであり、いくら見栄えの良いホームページを作成したとしても、ネットユーザーが閲覧し得るよう、検索の上位に来なければ、集客や売上は上がりません。このため、SEO対策サービスは、売上を左右する分、さらにタチが悪く、悪質業者は、上位表示を確約させるかのような勧誘を行い、契約者を誤認させて契約させることが非常に多いです。
又、SEOは、Googleの方針次第でその対策が左右されるため、アップデートに応じた対策を臨機応変に行うことが重要です。以前、常識であったSEO対策は既に非常識となっているケースもあり、旧態依然としたSEO対策を行っていると、Googleに反対にスパム扱いされ順位を落とす結果となります。
このため、業者の提供するサービスが、如何に有用なものかの客観的判断が必要であり、電話勧誘や訪問販売等の不意打ち的で攻撃的勧誘による契約は、その猶予期間すらなく、誤った判断をすることから契約することは絶対に避けるべきです。
ドロップシッピングとは、ドロップシッピングサービス会社と契約し、商品を仕入れ、値段を設定し、自身のサイトより商品を販売して、差益で収益を上げるネットショップシステムの一つですが、このドロップシッピングサービスを、50万〜200万円程の高額な費用のもと、ホームページやSEO対策等を絡め、包括的に提供している悪質業者が存在します。
インターネットで「副業 在宅」等で検索をすると、このドロップシッピングサービスが多数散見されますが、実際に、この包括的なサービスを受けて、勧誘(説明)通りの相応の収益が得られるのであれば、特段問題ありません。しかしながらその殆どは、収益がゼロか数千円から数万円のごく僅かなものであり、勧誘時の詐欺的説明により多額の被害を被ることとなります。サイトには、いかにも簡単に稼げそうな内容が記載されていますが、安易に資料請求をすると、執拗な電話勧誘に遭う可能性が高く注意が必要です。
内職商法も基本的に多いのは、インターネットや雑誌の広告を閲覧し、資料請求を行うと執拗な電話勧誘に遭い契約してしまうパターンです。自宅でPC等を用い、好きなときに仕事ができ、相応の収入も入るなどの触れ込みで集客していますが、仕事を斡旋・紹介されるまでに、PCを使った相当の量のトレーニングと称した問題・テストをこなす必要があり、その段階で収入確保の容易性は当初の説明と大きく異なるものであり、仮に仕事を行うことができたとしても、勧誘時の説明通りの収入は得られないものが殆どです。
資格(国家資格等)を取得することにより、独立や転職に有利に働くとの理由で、それら資格を取得するための高額な講座(教材)を不意打ち的な電話勧誘により勧めてきます。また資格取得後にはそれら資格を利用し得る業務を提供するため、資格取得後に、相応の経済的安定性が図る事が出来る等の動機付けを行います。
しかしながら、それら勧誘時の説明と、実際とは大きく異なり、資格取得のための講座を受講したものの、容易に取得出来なかったり、また仮に取得したとしても提供される予定の業務が提供されなかったりする等し、高額な受講費用を詐取されます。
まずは、営業電話はその全てを断ることです。電話営業(後日の訪問勧誘のためのアポ取りも含め)を行う業者で消費者(ユーザー)のためを、真剣に考え、提供する商品(サービス)に相当する価格設定を行っているとことは皆無に等しいからです。
電話勧誘会社の殆どは、体育会系の雰囲気の会社で、上司より半ば洗脳に近い教育を受けています。オフィスには「達成・必達」等の文字が並び、異常な熱気と当然心理でユーザーの私生活に土足で足を踏み入れ、断ると反対にガチャ切りするような勝手振りが伺えます。
勧誘マニュアルを叩き込まれ、新人は上司との絶妙な連携プレーで契約をもぎ取ります。殆どの営業マンは、固定給に歩合給が加算されますので、実力主義でその雇用形態は否定しませんが、それにより、対ユーザー目線でサービスを提供できない結果をもたらします。
営業マンは、明るく愛想よく話を切り出します。先に会社の信用度をアピールし、安心させたところで、ユーザーのニーズをヒアリングし、そのニーズに向け商品(サービス)を突っ込んできます。このように、勧誘は一方的であるため、多少強引にでも商品は必要ないことを丁重に(しつこい場合は、強く)申し出て、電話を切ることが重要です。
仮に契約を締結してしまった場合には、クーリングオフが可能です。電話勧誘販売のクーリングオフは、契約書交付日を含め8日間になりますので、その期間に内容証明郵便に配達証明を付加してクーリングオフの意思表示を行うことです。ハガキ等では無く必ず内容証明郵便で行うことです。通知した内容とその内容の書面が届いた事実は内容証明郵便以外の通知方法では証明できませんので。
仮に、クーリングオフ期間が経過したとしても、特定商取引法・消費者契約法・その他の法律に契約の解除・取消・無効等の定めがある場合には、その取消事由等に従い契約を取消すことなどが可能です。取消権の権利行使にもクーリングオフ権と同様に消滅時効があるので、取消事由等が発覚した場合には、速やかに、取消権の行使を行うべきです。因みに取消権の消滅時効は追認し得る時より6ヶ月若しくは契約締結より5年間になります。
取消権等の権利行使は早ければ早いほど、原状回復(契約の巻き戻し)に伴う不利益(負担)は少なくなります。尚、取消権はクーリングオフ権とは異なり無条件解約ではありませんので、原状回復により不当利得分(原則、現存利益分)を返還する必要があります。
※現存利益:現に利益を受ける限度=利益が現物のまま、或いは形を変えて残っている場合
※追認し得る時:取消しの原因たる情況が止んだ時
当事務所は、クーリングオフ、悪質なクレジット契約・リース契約の解約、中途解約、支払い停止の抗弁等に関する内容証明を作成します。また、クーリングオフ期間経過後やクーリングオフ適用外の契約においても、適切な解約事由をもって、支払い停止の抗弁、既払金返還請求のための内容証明を作成します。無料相談・ご依頼は大阪・兵庫・京都等の近畿圏に限らず全国対応にて行います。相談内容によっては、訴訟等を踏まえ専門の弁護士に委任した方が良い事案もありますので、その際は紹介等させて頂きます。
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