宅地建物(不動産)取引は、特定商取引法による制限を受けず宅建業法による制限を受けることになります。一定の要件を満たすことによりクーリングオフが可能となります。
(1)宅建業法では、消費者(一般購入者)が、宅建業者の事務所等以外の場所において買受けの申込みをしたり、また売買契約を締結したりした場合は、クーリングオフが可能です。ところが以下に記した場所で買受けの申込みをした場合にはクーリングオフができません。
クーリングオフができない場合の買受け申込み場所@ | 事務所以外の場所で、継続的に業務を行うことができる施設を有すもの |
A | 土地に定着する建物内に設けられた、一団の宅地・建物の分譲を行う際の案内所(例:モデルルーム等) テント張りの案内所は、土地に定着しているとみなされないので該当しません。このためこのような場所で買受けの申込みをした場合は、クーリングオフが可能となります。 |
B | 宅建業者が、他の宅建業者に対して、宅地・建物の売却について、代理または媒介の依頼をした場合にあっては、代理または媒介の依頼を受けた他の宅建業者の事務所または事務所以外の場所で継続的に業務を行うことができる施設を有するもの |
C | 宅建業者は一団の宅地・建物の分譲の代理または媒介の依頼をし、かつ依頼を受けた宅建業者が、その代理または媒介を案内所を設置して行う場合にあっては、その案内所(例:モデルルーム等) |
D | 宅建業者が、宅地・建物の売買契約に関する説明をした後、当該、宅地・建物に関し、展示会その他これに類する催しを、土地に定着する建物内において実施する場合にあっては、これらの催しを実施する場所(宅建業者が他の宅建業者に対し、宅地・建物の売却について、代理または媒介の依頼をした場合にあっては、依頼を受けた他の宅建業者を含む) |
(2)買受けの申込者が、宅地・建物の引渡しを受け、かつ代金全部を支払ったときはクーリングオフできなくなります。
不動産のクーリングオフは必ず書面で行わなければなりません。また発信したときに効力が及びます。
不動産は高額商品であるため、後々のリスクを考えるとクーリングオフ通知は、内容証明郵便にて行うことを強くお勧めします。以下はクーリングオフの効果です。(書面の交付)
第37条 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買又は交換に関し、自ら当事者として契約を締結したときはその相手方に、当事者を代理して契約を締結したときはその相手方及び代理を依頼した者に、その媒介により契約が成立したときは当該契約の各当事者に、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。
1.当事者の氏名(法人にあつては、その名称)及び住所
2.当該宅地の所在、地番その他当該宅地を特定するために必要な表示又は当該建物の所在、種類、構造その他当該建物を特定するために必要な表示
3.代金又は交換差金の額並びにその支払の時期及び方法
4.宅地又は建物の引渡しの時期
5.移転登記の申請の時期
6.代金及び交換差金以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額並びに当該金銭の授受の時期及び目的
7.契約の解除に関する定めがあるときは、その内容
8.損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがあるときは、その内容
9.代金又は交換差金についての金銭の貸借のあつせんに関する定めがある場合においては、当該あつせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置
10.天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容
11.当該宅地若しくは建物の瑕疵を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置についての定めがあるときは、その内容12.当該宅地又は建物に係る租税その他の公課の負担に関する定めがあるときは、その内容
2 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の貸借に関し、当事者を代理して契約を締結したときはその相手方及び代理を依頼した者に、その媒介により契約が成立したときは当該契約の各当事者に、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。
1.前項第1号、第2号、第4号、第7号、第8号及び第10号に掲げる事項
2.借賃の額並びにその支払の時期及び方法
3.借賃以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額並びに当該金銭の授受の時期及び目的
3 宅地建物取引業者は、前2項の規定により交付すべき書面を作成したときは、取引主任者をして、当該書面に記名押印させなければならない。
(事務所等以外の場所においてした買受けの申込みの撤回等)
第37条の2 宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地又は建物の売買契約について、当該宅地建物取引業者の事務所その他国土交通省令・内閣府令で定める場所(以下この条において「事務所等」という。)以外の場所において、当該宅地又は建物の買受けの申込みをした者又は売買契約を締結した買主(事務所等において買受けの申込みをし、事務所等以外の場所において売買契約を締結した買主を除く。)は、次に掲げる場合を除き、書面により、当該買受けの申込みの撤回又は当該売買契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。この場合において、宅地建物取引業者は、申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。
1.買受けの申込みをした者又は買主(以下この条において「申込者等」という。)が、国土交通省令・内閣府令の定めるところにより、申込みの撤回等を行うことができる旨及びその申込みの撤回等を行う場合の方法について告げられた場合において、その告げられた日から起算しで8日を経過したとき。
2.申込者等が、当該宅地又は建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部を支払つたとき。
2 申込みの撤回等は、申込者等が前項前段の書面を発した時に、その効力を生ずる。
3 申込みの撤回等が行われた場合においては、宅地建物取引業者は、申込者等に対し、速やかに、買受けの申込み又は売買契約の締結に際し受領した手付金その他の金銭を返還しなければならない。
4 前3項の規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする。
(損害賠償額の予定等の制限)
第38条 宅地建物取引業者がみずから売主となる宅地又は建物の売買契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金の額の10分の2をこえることとなる定めをしてはならない。
2 前項の規定に反する特約は、代金の額の10分の2をこえる部分について、無効とする。
(手附の額の制限等)
第39条 宅地建物取引事務は、みずから売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して、代金の額の10分の2をこえる額の手附を受領することができない。
2 宅地建物取引業者が、みずから売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して手附を受領したときは、その手附がいかなる性質のものであつても、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手附を放棄して、当該宅地建物取引業者はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。
3 前項の規定に反する特約で、買主に不利なものは、無効とする。
(瑕疵担保責任についての特約の制限)
第40条 宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物の瑕疵を担保すべき責任に関し、民法(明治29年法律第89号)第570条において準用する同法第566条第3項に規定する期間についてその目的物の引渡しの日から2年以上となる特約をする場合を除き、同条に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない。
2 前項の規定に反する特約は、無効とする。
当事務所は、クーリングオフ、悪質なクレジット契約・リース契約の解約、中途解約、支払い停止の抗弁等に関する内容証明を作成します。また、クーリングオフ期間経過後やクーリングオフ適用外の契約においても、適切な解約事由をもって、支払い停止の抗弁、既払金返還請求のための内容証明を作成します。無料相談・ご依頼は大阪・兵庫・京都等の近畿圏に限らず全国対応にて行います。相談内容によっては、訴訟等を踏まえ専門の弁護士に委任した方が良い事案もありますので、その際は紹介等させて頂きます。
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