点検商法とは、主に自宅に、屋根や壁、床下、水回りなどの(無料)点検と称して訪問して、点検後に、修繕の必要がある等として過大に不安を煽り、必要性がないか、若しくはあったとしても不必要で高額な工事請負契約を締結させるものです。
「近所で外壁工事をやっているので、ついでに壁を見ましょうか?よく見ると少しクラックが入っています。」等と、近所で工事をやっていることで親近感や安心感を持たせ、自然な流れで点検を行うケースもあり、手口は巧妙です。
特定商取引法における訪問販売の一形態であり、不意打ち的にかつ執拗に販売する手法は極めて悪質性の高い悪徳商法に分類され得るでしょう。
点検商法では、販売目的を明示せずに、(無料)点検と称して訪問することがポイントになり、勧誘行為の発端となっていますが、このような行為は特定商取引法に反した違法行為となります。このため、無料であるからといって、安易に点検を依頼すると高額な工事請負契約の勧誘に至る結果となり得ます。従って、事業者からの無料点検の提案は断るのが無難です。
(訪問販売における氏名等の明示)
第三条
販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売をしようとするときは、その勧誘に先立つて、その相手方に対し、販売業者又は役務提供事業者の氏名又は名称、売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る商品若しくは権利又は役務の種類を明らかにしなければならない。
(契約を締結しない旨の意思を表示した者に対する勧誘の禁止等)
第三条の二
販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売をしようとするときは、その相手方に対し、勧誘を受ける意思があることを確認するよう努めなければならない。
2 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約を締結しない旨の意思を表示した者に対し、当該売買契約又は当該役務提供契約の締結について勧誘をしてはならない。
仮に契約を締結してしまった場合には、点検商法が訪問販売の一形態である以上、クーリングオフが可能です。訪問販売のクーリングオフは、契約書交付日を含め8日間になりますので、その期間に内容証明郵便に配達証明を付加してクーリングオフの意思表示を行うことです。ハガキ等では無く必ず内容証明郵便で行うことです。通知した内容とその内容の書面が届いた事実は内容証明郵便以外の通知方法では証明できませんので。
尚、仮に、契約締結後に工事に着手したり、又は工事が完了した場合でも、クーリングオフを行えば契約時に権利関係が巻き戻されることから、原状回復(契約時の状態に戻す)工事を事業者は行う義務があり、契約者は一切の不利益を被ることはありません。
但し、契約関係が消滅することから、原状回復工事をいい加減にされたり、撤去したものを既に廃棄しており、元通りにできない等と相手が主張する場合もありますので、クーリングオフをする場合には、このように想定し得るリスクを回避する趣旨の内容も盛り込む等して行う方がベターです。
仮に、クーリングオフ期間が経過したとしても、特定商取引法・消費者契約法・その他の法律に契約の解除・取消・無効等の定めがある場合には、その取消事由等に従い契約を取消すことなどが可能です。取消権の権利行使にもクーリングオフ権と同様に消滅時効があるので、取消事由等が発覚した場合には、速やかに、取消権の行使を行うべきです。因みに取消権の消滅時効は追認し得る時より6ヶ月若しくは契約締結より5年間になります。
取消権等の権利行使は早ければ早いほど、原状回復(契約の巻き戻し)に伴う不利益(負担)は少なくなります。尚、取消権はクーリングオフ権とは異なり無条件解約ではありませんので、原状回復により不当利得分(原則、現存利益分)を返還する必要があります。
※現存利益:現に利益を受ける限度=利益が現物のまま、或いは形を変えて残っている場合
※追認し得る時:取消しの原因たる情況が止んだ時
当事務所は、クーリングオフ、悪質なクレジット契約・リース契約の解約、中途解約、支払い停止の抗弁等に関する内容証明を作成します。また、クーリングオフ期間経過後やクーリングオフ適用外の契約においても、適切な解約事由をもって、支払い停止の抗弁、既払金返還請求のための内容証明を作成します。無料相談・ご依頼は大阪・兵庫・京都等の近畿圏に限らず全国対応にて行います。相談内容によっては、訴訟等を踏まえ専門の弁護士に委任した方が良い事案もありますので、その際は紹介等させて頂きます。
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